『急いては事を仕損ずる』
木尾士目原作/講談社月刊アフタヌーン連載
「げんしけん」TVアニメ第2期『げんしけん2』第7,8話を収録したDVD4巻です
オタクを写実的にきめ細かく捉えたテイストは健在で、変に誤魔化さず
趣味に打ち込む実直さとそれゆえの劣等感に葛藤する描写が秀抜です。
(総合5.5/10点)
第7話「卒業症候群」★★★☆☆6/10点
季節は巡り3月。斑目、田中、久我山は卒業へ。
どこか切なくもげんしけんの想い出を振り返るような描写が懐かしく、
また記念写真撮影や追い出しコンパなど細かい描写で総括する締めの美しさが冴えます。
帰国子女という立場上、一人置いていかれる大野の素直な涙にちょっと感動。
彼らのまとまりの温かさが伝わる安心感に満ちた物語です。第1期ED曲挿入もナイス。
第8話「こすけん」★★★☆☆5/10点
荻上と朽木を主役にしたオタクゆえの悩みとイタさが滲み出ていますね。
普通にしているはずが、他者から見ると変。それを理解しながらも変えられぬ葛藤が
よく伝わってきます。イタさを通り越して怖くなる危険性も描くことで、
ある意味、利己にかられて自重できぬオタクの弱さも内包してます。
でも、よくある「?は俺の嫁」発言を的確に批判する咲の次回予告が一番グサり。痛ッ(苦笑)。