『オリキャラに独自色が強すぎ&旧キャラの使い方が下手』
<4巻までの評価>
一見、絵は上手そうに見えるけど、それはあくまで「イラスト」レベルの上手さであって、「漫画」として見るとイマイチ。どのシーンも静止画のような印象で、コマ割りに伴うキャラの「動き」や「流れ」が見えない。肝心の戦闘シーンに迫力が感じられないのもそのせいだろう。またタッチや構図、背景の書き込み等にもバラつきがあって、微妙に見づらい印象の絵柄になっている。
ストーリー展開は「トキ外伝」に比べてオリジナリティがあるものの、その作者の独特なセンスによるオリジナルキャラが浮いている上に、旧キャラの使い方が下手。他の人の指摘にもあるけど、六星の一人であるユダをヘタれキャラにし過ぎ。自分の考えたオリキャラを目立たせたいのは分かるが、それに伴う旧キャラの絡ませ方がなっていない。ラスボス的な存在のロフウにもまったく魅力が無い。基本的に「北斗の拳」に対する愛情よりも、同人誌的な自己満足が垣間見える。
そのせいでストーリー展開も痒い所に手が届かないというか、何をどう見せたいのかが伝わって来ない。レイも騒動に巻き込まれているだけで、主人公として物語を引っ張って行くエネルギーが感じられない。必然性の無いお色気シーンがやたら多いのも興醒めで、「北斗の拳」の外伝を読んでいる気がしない。原作のレイってこんなキャラだっけ?と思う事もしばしば。
南斗聖拳には分派が多いんだから、その辺で原作ではあまり語られなかった南斗同士の争いや協調、六星を狙う勢力といったサイドストーリーも作りやすかったはず。変にお色気を絡めずにもっとハードなバトルと餓狼のようなレイが見たかった。